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三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

戦わずして勝てた戦争

遅まきながら硫黄島の二部作
(硫黄島からの手紙、父親たちの星条旗)をDVDで見ました。

「硫黄島からの手紙」は何かを期待しながら、
ズルズルと最後まで見てしまい、
がっかりさせられてしまいました。

その何かとは?

日本軍の守備隊は太平洋の島々で、
アメリカ軍にほとんど損害を与えないまま、
次々に玉砕していきます。

ところが、硫黄島での戦闘ではアメリカ軍地上部隊の
死傷者数が日本軍の死傷者数を上回っています。

すなわちアメリカ軍に一矢報いた日本軍の健闘?善戦?

しかし、残念ながら、日本軍はほとんど敗走に次ぐ敗走。

よく考えれば、籠城戦(のような島での守備は)は
援軍が来るか、あるいは、こちらに兵力を集中させて、
その間に手薄になった敵の本隊を
叩く陽動作戦などがあって行なうものです。

籠城した守備隊を救出できるどころか
相手の兵站を切ることすらできない
状況では、なぜ島を放棄しなかったのか?

作戦自体が問われるべきです。

また硫黄島を取られて、戦略爆撃が本格化しました。

結果論にはなりますが、全力を持って防衛しても
よかったのではないでしょうか?

それ以前に、

「何で硫黄島で負けるんだ?」

と思ってしまいました。

そもそも、日本海軍は海から来る敵から日本を守ることを
前提に作られています。

アメリカは当然仮想敵国です。

むしろアメリカ艦隊が攻めてきたときにどうするか?
を前提に日本海軍は作られていたはずです。

日本がアメリカと戦争をしたのは無謀だったという
意見がありますが、どうでしょうか?

空母は軍事技術の粋を集めたものです。
したがって現在に至るまで、
空母を自国で開発した国は僅か5カ国。

当時、空母を持っていたのは、
日本以外にはアメリカと
イギリスしかありません。

ソ連もフランスもドイツもイタリアも
第二次大戦時には空母は開発できませんでした。

それに、日米開戦時の軍用航空機数は
 
 日本 2625 アメリカ 1692

また、空母の数は

 日本 8 アメリカ 6

軍艦の数も太平洋で比較するならば、
日本の方が上回っていたのです。

真珠湾でアメリカ艦隊を壊滅させ、
イギリスの東洋艦隊をインド洋から駆逐した
日本海軍は当時世界最強の海軍といっても
言い過ぎではありません。

その日本海軍があったのに・・・・
日本領土の硫黄島の上陸部隊を撃退できないとは・・・

あんな大船団が列をなしてやってきたのに
何もできないとは・・・

映画とはいえ残念でなりません。

一方、「父親たちの星条旗」を見て思ったのは
アメリカが軍費に苦しんでいたことです。

GNPが10倍以上違う
国力の全く異なる国同士の戦いです。

負けて当然の無謀な戦いとずっと言われていましたが・・・

当時既にアメリカは民主主義の国です。
第二次世界大戦に参加することすら、
反対意見が少なからずありました。
戦果が思うように上がらなければ
嫌戦気分が漂うのは今と同じです。

もうちょっとましな戦い方をしていれば、
もっと早くに講和に持ち込め、
太平洋戦争自体の被害も少なかったに違いありません。

もっと言えば、戦わずして
勝つこともできたはずですが・・・


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